血圧が高いとき、最初の10分にすること|下げようとせず、まず測り直す

✅ 今日の結論
- 血圧が高いとき、最初の10分にすること――下げようとせず、まず正しく測り直す
- 緊急性は、数字だけで決めません。症状と数値の両方を確認します
- 家庭の血圧は1回に2回ずつ。1〜2分あけて測り、両方とも記録します
- 1回の数字では、高血圧とは決まりません
いま、この順番でどうぞ
- 先に症状を確かめます。胸の痛み。息苦しさ。ろれつが回らない。顔や片側の手足のしびれ、力が入らない。意識がおかしい
- ひとつでもあてはまれば、測り直すより先に119番です
- 症状がなければ、測るのをいったんやめます
- 尿意があれば、トイレを済ませます
- 背もたれのある椅子に、脚を組まずに座ります
- 1〜2分たってから、正しい姿勢で測り直します
- 1〜2分あけてもう一度。2回とも記録します
この記事は約7分で読めます。でも、いま不安な方は、上の7つだけで動けます。
実は私自身、血圧が高めです。妻が一週間の旅行で家にいない日の朝、血圧計にいつもより高い数字が出て、本当に一人であせってしまいました。
その日は仕事が手につきませんでした。家に帰ってからも、このまま一人で倒れるんじゃないかと、不安で、不安で。
知りたかったのは高血圧の一般論ではなく、今この瞬間に何をすればいいのかでした。
そこで学会と消防庁の資料を開いて、していいことと、してはいけないことを並べました。タイトルの「10分」は流れ全体のおおよその時間で、10分待つ必要があるという意味ではありません。安静は1〜2分です。

1. まず、この症状がないかを確かめます
血圧の数字より先に、体を見ます。消防庁が「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」に挙げているものです。

- 顔:片方がゆがむ/ろれつがまわりにくい/見える範囲が狭い、物が二重に見える
- 手・足:突然のしびれ/片方の腕や足に力が入らない
- 頭:突然の激しい頭痛/急にふらついて立っていられない
- 胸や背中:突然の激痛/急な息切れ、呼吸困難
- 意識:返事がない、もうろうとしている
- 吐き気:冷や汗をともなう強い吐き気
こうした症状が突然出たら、血圧の数字にかかわらず119番です。測り直しは後回しにしてください。
とくに顔・腕・言葉の異常が突然出たときは、脳卒中を疑う合図とされています。症状が出た時刻を確認してください。
上に挙げた症状があるときは、#7119やQ助で確かめず、119番です。症状がはっきりせず、119番か受診かで迷うときに、電話相談の#7119や、消防庁のアプリ「Q助」で目安を確かめられます。ただし#7119は実施していない地域もあります。お住まいの地域で使えるかを、先に確かめておくと安心です。
📖 出典:総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」(令和7年10月発行)/日本脳卒中学会監修・日本脳卒中協会協力「脳卒中の予防・発症時の対応」——「顔(Face)、手(Arm)、言葉(Speech)の異常が突然現れたら脳卒中を疑い、症状が出た時刻(Time)を確認して、急いで、行動」/救急安心センター事業(#7119)・全国版救急受診アプリ「Q助」
2. 症状がなければ、こう測り直します
高い数字が出ると、もう一度、もう一度、と測ってしまいます。でも学会が決めているのは「1機会に原則2回測定し、その平均を取る」です。低い数字が出るまで測り直しても、正しい記録にはなりません。
測り方の条件です。条件が崩れると測定値に影響することがあるため、できるだけ同じ条件にそろえます。
- 部屋:静かで、過ごしやすい温度。冬の冷えた部屋では高く出ます
- 姿勢:背もたれのある椅子に、脚を組まずに
- 血圧計:日本高血圧学会が家庭での測定に勧めている、上腕にカフを巻くタイプを使います
- 服と腕:厚手の服の上から巻かない。たくし上げて腕を締めつけるのもだめ。腕を机に置き、カフの真ん中を心臓の高さに
- 安静:座って1〜2分。動いた直後は測りません
- 測定中:話さない。力を入れない、動かない
- 2回目:1〜2分あけて。2回とも記録。差が大きければ、もう一度
- 測る前:たばこ、お酒、カフェインをとらない
座って1〜2分、いつもの呼吸に戻ってから測ります。血圧を下げるためではなく、落ち着いて測るための時間です。
📖 出典:日本高血圧学会「家庭で血圧を測定しましょう」/日本高血圧学会・日本高血圧協会・COML『一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子』p.10——「歩いたりした後ではすぐに血圧を測らず、座って1-2分間の安静を保ってから測る」/日本循環器病予防学会誌 第56巻第3号(2021)「血圧測定」——「背もたれつきの椅子に脚を組まずに座って数分の安静後」「会話をかわさない」「カフ中央を心臓の高さ(胸骨中央あるいは第4肋間)に維持する」「厚手のシャツ、上着の上からカフを巻いてはいけない」「1-2分の間隔をあけて少なくとも2回測定」
3. この間、してはいけないこと

- きつい運動で下げようとする――運動中に血圧が上がることがあります。高血圧のある人に、きつい運動は勧められていません
- 熱いお風呂に入る――消費者庁は、湯温41度以下・10分までを目安に、飲酒後や服薬後の入浴は避けるようにと呼びかけています
- お酒を飲む――いちばんやっかいです。飲んだすぐあとは血圧が下がります。下がったように見えますが、続ければ高血圧の原因になります
- 処方された薬を、自分の判断で足す――「決して2回分を一度に服用することはしないでください」。下がりすぎも危ないからです
- 短い時間に、何度も測り続ける
- 水、ツボ、深呼吸を「必ず下がる方法」として試す――今回確認した公的機関・学会の資料には、その場で確実に下げる標準的な対処として示されていません。頼りにして、症状の確認や測り直しを後回しにしないでください
薬は、足すのも、減らすのも、やめるのも、自分で決めないでください。医師から高いときの対応を個別に指示されている方は、その指示に従ってください。
📖 出典:『一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子』p.13・p.14・p.16——「自己判断で服薬をやめることなく、疑問があるときは医師に相談しましょう」/消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」/日本内科学会雑誌 第101巻第1号(2012)「高血圧緊急症と緊急降圧」——「過度な降圧は臓器虚血を来すため危険と考えられている」
4. 数字は、どう見ればよいですか
緊急性は、数字だけで決めません。症状と数値の両方を確認します。ここがいちばん大事なところです。
医療で高血圧緊急症と呼ぶのは、血圧が高いだけの状態ではなく、脳や心臓、腎臓などに実際に障害が起きている状態です。
「血圧が高値を示していても、すべての患者に緊急の降圧を要するとは限らない」
とはいえ「症状がないから大丈夫」でもありません。3つに分けて考えます。
| いまの状態 | すること |
|---|---|
| 胸痛、息苦しさ、ろれつ困難、顔や片側の手足のまひ・脱力、意識がおかしい | 血圧の数字にかかわらず119番 |
| 180/120mmHg以上など非常に高い数字。ただし上の症状はない | 安静にして測り直します。それでも非常に高ければ、様子を見ずに、かかりつけ医や医療機関へ速やかに連絡します |
| そこまでではないが、高い状態が続いている | 朝と晩の血圧を記録して、処方医・かかりつけ医に相談します |
そして、1回の数字では高血圧とは決まりません。診断は「少なくとも2回以上の異なる機会における血圧値に基づいて行う」ものだからです。
📖 出典:日本内科学会雑誌 第101巻第1号(2012)「高血圧緊急症と緊急降圧」——「症候や標的臓器障害を伴わない血圧の高度上昇は切迫症として緊急症と区別する」「血圧は180/120mmHg以上を呈する」/日本循環器病予防学会誌 第56巻第3号(2021)「血圧測定」
5. 症状がなくても、相談してほしい理由
血圧の怖いところは、高くても、ほとんどの人に自覚症状が出ないことです。学会の冊子は高血圧を「サイレントキラー」と呼んでいます。
「家庭血圧135/85mmHg以上が、脳卒中や心筋梗塞にかかる率を2〜3倍にも増やす危険な高血圧です」
「高血圧は症状がなくても危険です。必ず医師の診断を受けましょう」
ここでいう135/85mmHg以上は、1回だけの値ではありません。朝または晩の血圧を7日間、少なくとも5日間測り、それぞれの平均で判断する基準です。
この135/85というラインは、2025年に新しくなったガイドラインでも変わっていません。今日の1回で慌てなくていい。けれどそのまま忘れてしまうのが、いちばんよくないと思います。
- 朝:起床後1時間以内/トイレのあと/朝食の前/薬を飲む前
- 晩:寝る直前
- どちらも1〜2分の安静のあと、2回ずつ。両方とも書き残します
- 週に5日以上つけた記録を、受診のときに主治医に見せます
1回だけでは高血圧の診断は決まりません。ただし、その値も医師に伝える大切な情報です。数日ぶんの記録があると、さらに判断しやすくなります。
📖 出典:日本高血圧学会「家庭で血圧を測定しましょう」/『一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子』p.5/日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」——診断基準は家庭血圧135/85mmHg以上で据え置き(日大医誌 84(6):257-261, 2025 で確認)
まとめ
- 最初にすることは、下げようとすることではありません。症状を確かめて、正しく測り直すことです
- 緊急性は、数字だけで決めません。症状と数値の両方を確認します
- 1回の数字では決まりません。今日から朝晩、記録を始めてください
血圧計の数字は、体からの知らせです。知らせを正しく受け取るところまでが、今日できることだと思います。
私は、あの日のような思いは、もうしたくありません。だからこそ、そうならないように、普段の暮らしのほうを少しずつ変えていきたいと思っています。このブログが、そのきっかけになれたら幸いです。
※本記事は、公的機関および学会が公開している資料にもとづく一般的な情報です。診断・治療・お薬に関する判断は医師によるものです。持病のある方、治療中の方は、必ずかかりつけの医師・薬剤師にご相談ください。

この記事を書いた人|ぱきら
健康食品・自然食品の販売現場に立ち続けて約25年。華やかな広告の裏にある「商品の本当の姿」と、流行に流されない「賢い選び方」をお伝えしています。

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