なぜ火に強い油と弱い油があるの?|火を通すなら米油、アマニ油は「かける」油です

加熱する油、かける油。コンロの上のフライパンで野菜を炒める絵と、サラダにスプーンで油をかける絵を並べたイラスト

✅ 今日の結論

  • なぜ火に強い油と弱い油があるの?――油の成分に、酸素とくっつきやすい「手」が何本あるかの違いです
  • アマニ油・えごま油は、手が3本の成分(オメガ3)が約6割。だから火に弱いのです
  • 火を通すなら米油。アマニ油は、火を止めてから「かける」油です

⏱ 約4分で読めます。台所の油のボトルを思い浮かべながらどうぞ🍳

「アマニ油やえごま油は、加熱しないでください」。聞いたことがある方は多いと思います。

でも、なぜ火にかけたらいけないのか。そこまで知っている方は、ほとんどいません。同じ「油」なのに、何が違うのでしょうか。

目次

油の成分には、酸素とくっつく「手」があります

油は、「脂肪酸」という成分が集まってできています。この脂肪酸には、酸素とくっつきやすい場所があります。ここでは「手」と呼びます。

  • オレイン酸=手が1本(オリーブ油・なたね油・米油に多い)
  • リノール酸=手が2本(コーン油・大豆油に多い)
  • オメガ3(α-リノレン酸)=手が3本(アマニ油・えごま油に多い)
油のしずくを擬人化したイラスト。オレイン酸は手が1本、リノール酸は手が2本、オメガ3は手が3本で、腕が多いほど酸素の玉をたくさん持っている
手(酸素とくっつきやすい場所)が多いほど、酸素とくっつきやすい

手が多いほど、酸素とくっつきやすい。これが「酸化」です。そして酸化は、熱や光で進みやすくなります。

📖 出典:日清オイリオ業務用「植物油脂の構造・脂肪酸の特性」――「一般的に脂肪酸の二重結合が多いほど、保存安定性が低くなる傾向があります」

アマニ油・えごま油は、手が3本の成分が約6割

読者の疑問(?)

どの油にも、手が3本の成分は入ってるの?

ぱきら(驚き)

それが、油によってケタ違いなんです

火に弱いオメガ3(α-リノレン酸)の割合の横棒グラフ。えごま油61.3%、アマニ油59.5%、なたね油8.1%、大豆油6.6%、米油1.3%、オリーブ油0.6%
脂肪酸総量に占める割合。文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」脂肪酸成分表より

アマニ油とえごま油だけが、ほかの油とケタが違います。メーカーも「熱に弱く酸化されやすい性質を持っているので、加熱調理には適していません」と説明しています。

📖 出典:文部科学省 食品成分データベース(あまに油・脂肪酸)、日清オイリオ「α-リノレン酸」

加熱すると、栄養がなくなるの?体に悪いの?

読者のしんみり(…)

じゃあ、今までアマニ油で炒めてたのは…

ぱきら(微笑み)

大丈夫。短い時間なら、ちゃんと残っています

ここは、正直にお伝えします。短い時間なら、栄養はほとんど残ります。

  • えごま油を180℃で70分まで加熱した研究では、オメガ3は9割以上残り、食品衛生上の問題もありませんでした
  • ただし180℃で10時間になると、劣化が著しく進みました
  • アマニ油・えごま油で190℃・3分の野菜炒めをした研究でも、使える範囲でした

それでもメーカーがすすめないのは、熱を加えると生臭いにおいが出て、おいしくなくなるから。そして、揚げ物のように長く熱をかけると、劣化が進むからです。

油の劣化は、国も見ています。揚げたお菓子には、油の酸化の度合いに上限の基準が決められています。

わざわざ火に弱い油で炒める理由は、どこにもありません。

📖 出典:丸谷ほか「エゴマ(シソ)油の加熱安定性と食品成分添加の影響」日本栄養・食糧学会誌(1998)、津留ほか「α-リノレン酸高含有植物油は炒め調理に使用できるのか?」日本食品科学工学会誌(2023)、日清オイリオ「日清アマニ油は加熱調理に使えますか?」、ニップン「アマニオイルの加熱はダメ!?」、厚生省通知「菓子の製造・取扱いに関する衛生上の指導について」(昭和52年)

火に弱いのに、なぜアマニ油・えごま油が人気なの?

その「手が3本の成分」、オメガ3こそが理由です。

オメガ3は、体の中で作ることができない「必須脂肪酸」のひとつ。食事からとるしかありません。

アマニ油が火に弱いのは、必須脂肪酸のα-リノレン酸を多く含むことの裏返しでもあるのです。だから、生のままとる油として選ばれています。

📖 出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「不飽和脂肪酸」

ぱきらは、火を通すなら米油を選びます

米油は、手が3本の成分がわずか1.3%。そのうえ、米油メーカーはこう説明しています。

「天然の抗酸化成分であるビタミンE、トコトリエノール、γ-オリザノールを多く含み、不飽和脂肪酸の中でも酸化されやすいリノレン酸の含量が少ないため、酸化しにくい油です」

炒め物にも、揚げ物にも。火を通す1本は、米油。これが私の答えです。

📖 出典:築野食品「こめ油のヒミツ」、J-オイルミルズ「代表的な植物油の種類」――こめ油は「酸化しにくく加熱しても品質が安定している」

今日からできること

  • 炒め物・揚げ物に使う油を、米油にする
  • アマニ油・えごま油は、火を止めてから、サラダや温かい味噌汁にかけて使う

🌿 火には弱いけれど、生でとるなら最高の油。ぱきらがすすめる、たった1つの油「アマニ油」のお話は、こちらです。
→ アマニ油のすごさは?|体で作れない油が、小さじ1杯で1日の目安量に届きます

※本記事は、公的機関の資料・研究論文・メーカーの公表情報をもとにまとめたものです。特定の商品の優劣や、病気の予防・治療の効果を示すものではありません。油の状態は保存や使い方で変わるため、においや色がおかしいと感じたら使わないでください。

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ぱきら

この記事を書いた人|ぱきら

健康食品・自然食品の販売現場に立ち続けて約25年。健康食品やサプリメントを主軸に、寝具・化粧品・整水器・補聴器まで、延べ数千点の「健康にまつわる商品」を直接お客様に届けてきました。華やかな広告の裏にある「商品の本当の姿」と、流行に流されない「賢い選び方」をお伝えしています。

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この記事を書いた人

25年間現場で「健康の正体」を見極めてきた目利き
はじめまして。健康業界の現場に立ち続けて約25年。自然食品、健康食品やサプリメントを主軸に、寝具全般、化粧品、補正下着、整水器に、インソール、健康ジュエリー、空気清浄機から補聴器まで、延べ数千点に及ぶ「健康にまつわる商品」をは幅広いジャンルで直接お客様に届けてきました。

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