ナットウキナーゼのサプリと納豆、何が違うの?|同じ名前でも、中身は別物でした

台所のテーブルで、片手にふたを開けた納豆のパック、もう片方の手にサプリメントの小瓶を持って見比べている手元のクレヨン調イラスト。

✅ 今日の結論

  • サプリのナットウキナーゼはビタミンKを抜いてあります。納豆はビタミンK2がたっぷり。同じ名前でも中身が違います
  • ワーファリンを服用している人は、納豆だけでなく、ナットウキナーゼサプリについても自己判断で使用せず、事前に医師または薬剤師へ相談してください。
  • 「血液サラサラ」の臨床研究に使われたのも、そのビタミンKを抜いた製品。納豆そのものではありません
  • いっぽう骨については、納豆にトクホの実績があります。得意なことが、それぞれ違うのです

⏱ 約6分で読めます。サプリと納豆、どちらが上でもありません。違いを整理します ご一読ください🍵

「ナットウキナーゼのサプリを飲んでいるんだけど、納豆も食べたほうがいいの?」——最近、売り場でよくいただく質問です。

先に答えを言うと、どちらが上という話ではありません。同じ「ナットウキナーゼ」の名前が付いていても、中身が別物だからです。今日はその違いを、資料をたどりながら整理します。

読者の疑問(?)

同じ成分なんだから、納豆をたくさん食べればサプリはいらないんじゃないの?

ぱきら

そこがね、調べたらいちばん面白いところだったんだ。同じ名前でも、わざと中身を変えてあるんだよ。


目次

まず、サプリの箱に何と書いてあるか

ナットウキナーゼのサプリメントには、機能性表示食品として国に届け出ているものがあります。届出の表示は、こう書かれています。

納豆菌由来ナットウキナーゼは血流(末梢)を改善することで血圧が高めの方の血圧を下げる機能が報告されています

よく読んでみてください。「血栓を溶かす」とは書いていません。認められているのは「血流を改善して、血圧が高めの方の血圧を下げる」ところまで。世間で言われる「サラサラ」のイメージより、ずっと具体的で、控えめです。

メーカーが根拠の資料を国に届け出て、この範囲でなら書いてよい、と整理されている——それが機能性表示食品です。ちゃんと手続きを踏んだ表示です。

📖 出典:ナットウキナーゼ さらさら粒PREMIUM(届出番号G418)|小林製薬/機能性表示食品について|消費者庁


決定的な違いは「ビタミンK」でした

では納豆とどう違うのか。調べていて、いちばん大事なところに行き当たりました。岡山大学の資料です。

岡山大学の資料では、2015年の研究などで使われたナットウキナーゼはビタミンKを除去した製品であり、納豆をそのまま食べる場合とは区別して説明されています。ただし、ビタミンKを除去していることだけで、ワーファリン服用中の使用が安全だとは判断できません。

読者の反応(!)

えっ、ビタミンKをわざわざ抜いてあるの!?

ワーファリン(ワルファリン)という血栓を防ぐ薬を飲んでいる方は、納豆を止められています。納豆のビタミンK2が、薬の効きを弱めてしまうからです。ビタミンKを抜いたサプリでも、自己判断で使えるという意味ではありません。

そして「血液サラサラ」の根拠になった臨床研究も、このビタミンKを抜いた製品で行われています。納豆そのもので試したわけではありません。だから研究の結果を、そのまま納豆に持ってくることができないのです。

ナットウキナーゼのサプリ納豆
ビタミンK抜いてあるたっぷり(100gあたり600μg)
ワーファリンを飲む方自己判断で使用せず、事前に医師または薬剤師へ相談自己判断で食べず、事前に医師または薬剤師へ相談
骨(ビタミンK2)—トクホの実績あり
表示機能性表示食品の届出あり届出なし
量1日ぶんで2,000FU大学の資料では約2パック

📖 出典:納豆の健康効果について(2)|岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

⚠️ ワーファリンを服用している人は、納豆だけでなく、ナットウキナーゼサプリについても自己判断で使用せず、事前に医師または薬剤師へ相談してください。


ところで、納豆なら何パック分?

ここでひとつ、気になったことがあります。ナットウキナーゼの量はFU(フィブリン分解単位)で表し、1日の目安は2,000FU。では2,000FUは、納豆でいうと何パックなのでしょうか。

調べたら、出どころによって数字がまるで違いました。

  • 岡山大学……「2,000 FUは、納豆70〜100 gに相当」「最低でも1回に2パック」
  • 日本ナットウキナーゼ協会……1パック平均1,500FUなので1〜2パック
  • あるサプリの商品ページ……「納豆約30パック分」

2パックと30パック。15〜20倍のひらきがあります。商品ページの注釈も読んでみました。全文は「市販の納豆を1パック50gとして換算」——グラム数の決め方は書いてありますが、1パックを何FUとして計算したのかは書かれていません。

ぱきら

正直に言うと、この差がどこから来るのか、私には分かりませんでした。ただ、納豆を推す理由のない大学と、業界の団体が、そろって「1〜2パック」と言っている。それは覚えておいていいと思います。

📖 出典:FAQ|日本ナットウキナーゼ協会/さらさら粒PREMIUM 商品ページ|小林製薬


納豆のほうが得意なのは「骨」でした

では納豆はどこが強いのか。骨です。ミツカンの「金のつぶ 納豆ほね元気」は、納豆として初めてトクホの許可を受けた商品で、こう表示しています。

本納豆は、納豆菌(Bacillus subtilis OUV23481株)の働きにより、ビタミンK2を豊富に含み、カルシウムが骨になるのを助ける骨たんぱく質(オステオカルシン)の働きを高めるように工夫されています

サプリが抜いているビタミンK2が、納豆では主役になっている——ここが面白いところです。そしてそのK2は、ふつうの納豆にも入っています。ネバネバをつくる納豆菌がつくり出す成分ですから。ほね元気は、K2が多く出るように菌を選んで審査を通した商品、という位置づけです。

ちなみにひきわり納豆なら、ビタミンKは100gあたり930μg。粒の納豆の約1.5倍です。

📖 出典:「金のつぶ 納豆ほね元気 3P」リニューアル|ミツカン


世界も、納豆を買い始めています

日本からの納豆の輸出量の棒グラフ。2017年1,752トン、2024年3,655トン、2025年5,248トンと増加し、2025年は過去最高で2017年の約3倍。2025年の行き先は中国1,652トン、米国1,032トン。
日本からの納豆の輸出量(財務省貿易統計より)

2025年の納豆の輸出は5,248トンで過去最高。2017年の約3倍になりました。タイでは日本から輸入した納豆が日本の3倍以上の値段で売られています。日本では3パック150円ほどで当たり前に買えるものが、海外では「わざわざ買うごちそう」です。

📖 出典:海外で納豆人気が右肩上がり/東京新聞(財務省貿易統計)/タイで2025年バカ売れした「日本が誇る最強食品」/PRESIDENT Online


結局、どう考えればいいのか

整理すると、こうなります。サプリは「ビタミンKを抜いて、量を一定にそろえたもの」。納豆は「ビタミンK2ごと、まるごと食べるもの」。目的が違うので、どちらが上ということはありません。

ワーファリン服用中は、ビタミンKを除去したサプリであっても、使用前に医師または薬剤師へ相談してください。骨のことを思うなら、ビタミンK2が入っている納豆に分があります。「サプリを飲んでいるから納豆はいらない」でも、「納豆を食べているからサプリは無駄」でもありません。

そのうえで、最後にひとつだけ。「〇〇何個分」という数字を見かけたら、その根拠がどこに書いてあるかを探してみてください。今日のように、注釈を開いても書いていないことがあります。書いていない数字は、鵜呑みにしない。それだけで、売り場での目が変わります。

どの納豆を選べばいいかは、納豆のラベルの見方にまとめました。裏の3か所を見るだけです。

※この記事は食品表示について説明したものであり、特定の疾病の予防や治療の効果を示すものではありません。体調に不安のある方、薬を服用中の方は、かかりつけの医師にご相談ください。

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この記事を書いた人

25年間現場で「健康の正体」を見極めてきた目利き
はじめまして。健康業界の現場に立ち続けて約25年。自然食品、健康食品やサプリメントを主軸に、寝具全般、化粧品、補正下着、整水器に、インソール、健康ジュエリー、空気清浄機から補聴器まで、延べ数千点に及ぶ「健康にまつわる商品」をは幅広いジャンルで直接お客様に届けてきました。

私がこの四半世紀で学んだこと。それは、「華やかな広告やマーケティングの裏にある、商品の本当の姿」です。

世の中には「国産=安心」「高価=高品質」というイメージが溢れていますが、現場で多くのお客様の体調の変化や原材料の真実を見てきた私には、別の景色が見えています。何を食べるか、何を使うか以上に大切なのは、情報に惑わされず「自分に本当に必要なもの」を【正しく選ぶ力】です。

このブログでは、忖度なしの現場経験をベースに、流行に流されない「賢い商品選びの基準」をシェアしていきます。あなたの体が、もっと楽に、もっと健康でい続けるための「考えるヒント」になれば幸いです。

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