本みりんとみりん風調味料の違い|照り焼きで差が出る理由と、みりんの選び方

⏱ 約6分で読めます。台所のみりんを手元に置いて、ご一読ください🍵
✅ 今日の結論
- みりんには3種類あります。「本みりん」「みりん風調味料」「発酵調味料」です。
見分ける場所は、裏ラベルの「種類別名称」ひとつだけです。 - 本みりんが高いのは、原料のせいだけではありません。酒税法の上ではお酒なので、酒税がかかっています。
- みりん風調味料は、甘みを糖類で作ってあります。アルコールはほとんど入っていません。
- 「照り焼きは本みりんじゃないと」と言われるのは、この違いから来ています。甘さは似せられても、中身は別のものです。
- そして「本みりん」と書いてあっても、中身は同じではありません。糖類を加えたものも、法律上は本みりんです。原材料名が3つだけのものを探してください。
「みりん、どれを買えばいいの?」
売り場でよく聞かれます。そして、たいていその次にこう続きます。「本みりんって、高いですよね」と。
正直に申し上げます。高いです。みりん風調味料の倍、ものによっては3倍することもあります。同じ棚に、同じような形のボトルが並んでいて、片方だけが高い。迷って当然だと思います。

お父さん、「みりん風」って、みりんの仲間ってことでしょ?

それがね、仲間じゃないんだ。名前が似ているだけで、法律の上では別のものなんだよ。
みりんは3種類あります
売り場のみりんは、この3つに分かれています。
| 種類別名称 | アルコール分 | 原材料名の最初に来るもの | お酒かどうか |
|---|---|---|---|
| 本みりん | 約14% (15度未満) | もち米、米こうじ、焼酎 または醸造アルコール | お酒です (酒税がかかる) |
| みりん風調味料 | 1%未満 | 水あめ、糖類 ぶどう糖果糖液糖 など | お酒ではない (食品) |
| 発酵調味料 (みりんタイプ) | 約10〜14% | 米、米こうじ、食塩 | お酒ではない (塩が入っているため) |
ここでいちばん大事なのは、3つとも裏ラベルに「種類別名称」として書いてあるということです。書いてあるので、迷う必要はありません。見る場所さえ知っていれば、5秒で判別できます。
なぜ本みりんは高いのか——理由のひとつは税金です
本みりんは、酒税法という法律の上ではお酒に分類されています。条文には、みりんは「アルコール分が十五度未満のもの(エキス分が四十度以上……)」と定義されていて、清酒やビールと同じ「酒類」の仲間として並んでいます(出典:e-Gov法令検索 酒税法 第3条)。
お酒ですから酒税がかかり、売るほうにも酒類の販売免許が要ります。本みりんの値段には、この分が乗っています。
残りの2つは、それぞれ別の道でこの負担を避けています。みりん風調味料はアルコールを1%未満に抑えてお酒から外れ、甘みは水あめやぶどう糖で作っています。発酵調味料はアルコールを含んだまま、食塩を加えて飲めなくしてお酒から外れています。

値段の差は、手抜きの差ではありません。税金と作り方の、両方の差です。ここを知っているだけで、棚の前の見え方が変わります。
照り焼きで差が出るのは、なぜか
「煮物はどっちでもいいけど、照り焼きだけは本みりんじゃないと」——これは、私が売り場で本当によく言われる言葉です。お客様のほうが先に気づいていらっしゃる、という感じです。
正直な範囲で書きます。まず、照りやつやそのものは、糖分があれば出ます。砂糖でもある程度は出ます。「本みりんにしか出せない」と聞くと思いますがそれは過度な表現だと私は思っています。
違いは、本みりんが糖分とアルコールを同時に持っていることです。本みりんの甘みは、米のでんぷんが米こうじの働きでゆっくり分解されてできたもので、砂糖を1種類加えたものとは成り立ちが違います。そこにアルコールが入っている。アルコールには煮崩れを防いだり、味をしみ込みやすくしたりする働きがあると言われています。
みりん風調味料には、そのアルコールがほとんどありません。甘さは似せられても、そこは似せられない——「照り焼きだけは」とおっしゃるお客様が感じ取っているのは、たぶんこの部分です。
逆に言えば、甘みをつけたいだけの用途なら、みりん風調味料で困ることはありません。全部を本みりんにする必要はない、というのが私の考えです。
売り場での見分け方は、たったひとつ
覚えていただきたいのは、これだけです。
- 裏の「種類別名称」を見る。「本みりん」「みりん風調味料」「発酵調味料」のどれかが必ず書いてあります
- 次に原材料名の1番目を見る。原材料名は重量の多い順に書く決まりなので、1番目が「水あめ」や「糖類」なら、それが主役の商品です
- 置いてある場所でも見当がつきます。本みりんはお酒なので、酒売り場に置かれていることがあります
この「1番目を見る」というやり方は、みりんに限った話ではありません。原材料表示の読み方|買う前に「裏」を見る、たった3つのポイントに、重量順のルールと出典をまとめてあります。醤油でも味噌でも同じ手が使えます。
じつは「本みりん」の中にも、差があります
ここから先は、あまり書かれていない話です。
「本みりん」と書いてあれば全部同じ、ではありません。法律は、本みりんにぶどう糖や水あめを加えることを認めています。酒税法施行令第5条の「みりんの原料等」に、ぶどう糖・水あめが原料として挙げられているからです。
ですから、売り場の本みりんは、裏を見るとだいたいこの2通りに分かれます。
- もち米、米こうじ、米焼酎——原材料が3つだけ。米だけで甘みを作っているタイプ
- もち米、米こうじ、醸造アルコール、糖類——糖類を加えて甘みを補っているタイプ
どちらも合法で、どちらも堂々と「本みりん」です。違いは、裏の原材料名にしか出ていません。値段の差の正体も、たいていここにあります。
本みりんを選ぶときは、種類別名称で安心して終わらず、もう一段だけ、原材料名の数を見てください。3つで止まっていれば、米から甘みを作ったものです。
私が台所に置いている2本
※ここで紹介する2本は、私の勤める会社でも取り扱っている商品です。また、以下のリンクは楽天アフィリエイトを利用した広告です。そのうえで、自分の台所で実際に使っているものだけを挙げています。
味の母(発酵調味料)——私はもっぱら、これ1本です
ほんとおすすめ(^^♪
3つめの「発酵調味料」に当たるのが、この味の母です。裏を見ると、種類別名称は「醗酵調味料」、原材料名は「米(国産)、米こうじ、食塩」の3つだけ。アルコール分は10.0±0.5%です(出典:創健社 商品ページ)。
原材料が3つしかない、というのが分かりやすいところです。糖類も、酸味料も、調味料(アミノ酸等)も入っていません。みりんとお酒の両方の役目を1本で兼ねられるので、台所の瓶が1本減ります。
ひとつだけ注意点があります。食塩が入っています。大さじ1杯(15ml)あたり食塩相当量0.3g。多い量ではありませんが、レシピどおりに使うと少ししょっぱくなることがあるので、醤油や塩を気持ち控えめにしてみてください。ここは知らずに使うと「なんか味が濃い」となるところです。
正直に言うと、私の台所は、もうこれ1本で足りています。みりんと料理酒の両方の役目をしてくれるからです。料理酒については別の記事で改めて書きますが、まずはこの1本を一度使ってみてほしい。家の煮物が、料亭で出てくるような味に近づきます。
福来純「伝統製法」熟成本みりん——なめてみれば分かります
一度は使ってほしい、違いが分かる一本です(^^)
本みりんを1本選ぶなら、これです。裏の原材料名は「もち米(国産)、米麹(国産米)、米焼酎」の3つだけ。ひとつ上でお話しした「3つで止まっているタイプ」の、いちばん分かりやすい例です。アルコール分は14%、3年かけて熟成させたものです。
安いものとの違いは、理屈より先に舌で分かります。料理に使う前に、少しなめてみてください。それだけで違いが分かると思います。私が説明するより、そのほうが早いです。
今日からできること
- 台所のみりんを1本、裏返してみてください。「種類別名称」に何と書いてありますか。それだけで、今お使いのものが3種類のどれかが分かります
- 全部を替える必要はありません。照り焼きや煮魚など「照りを出したい料理」のときだけ、本みりんか発酵調味料に替えてみてください
- 次に買うとき、原材料名がいくつ並んでいるかを数えてください。3つで止まっていれば、米から甘みを作ったものです
みりんは、一度替えると毎日の煮物とおかずに、ずっと効きます。棚の前で5秒、裏を見る。それだけの話です。

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