アスパルテームは体に悪い?|同じ分類に、漬けものとわらびが入っています

✅ 今日の結論

  • 2023年、WHOの機関がアスパルテームを「発がん性がある可能性がある」に分類しました。これは事実です
  • ただし同じ段には、漬けもの・わらび・鉛が並んでいます。この分類は「証拠の強さ」を並べたもので、危険の強さや量の話ではありません
  • 同じころ、別の機関は「1日に摂ってよい量を変える理由はない」と発表しています
  • 私は自分では選びません。ただし「危ないから」ではありません。理由は最後に書きます

⏱ 約5分で読めます。ニュースを見て不安になった方へ🍵

「アスパルテームに発がん性」というニュースが流れたとき、売り場でもずいぶん聞かれました。

読者の疑問(?)

あれ、やっぱり体に悪いんでしょう?

「危ないですよ」と言うのも、「大丈夫ですよ」と言うのも簡単です。でもどちらも、正確ではありません。

氷の入ったグラスに注がれた炭酸飲料
よく見かける、あの一杯です

何が発表されたのか、順番に見ていきます。

目次

2023年7月、2つの発表が同じころに出ました

どちらもWHO(世界保健機関)の下にある組織です。

IARC(国際がん研究機関)——アスパルテームを「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」に分類

JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)——一日摂取許容量(体重1kgあたり0〜40mg)を変更する理由はない

食品安全委員会「アスパルテームに関するQ&A」

ニュースで流れたのは、たいてい前半だけでした。後半とセットで読まないと、話が半分になります。

「可能性がある」は、どのくらいの意味か

ここがいちばん誤解されているところです。

IARCは、いろいろなものを4つの段に分けています。農林水産省の説明を、そのまま並べます。

段 意味 入っているもの
1 ヒトに対して発がん性がある アルコール飲料、加工肉、アフラトキシン、ベンゼン
2A おそらく発がん性がある 非常に熱い飲み物、レッドミート、アクリルアミド、亜硝酸塩
2B 発がん性がある可能性がある アスパルテーム、漬けもの、わらび、鉛
3 分類できない コーヒー、マテ茶

📖 出典:農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」

読者の驚き(!)

えっ、漬けものと同じところ?

そうなんです。アスパルテームは、漬けものやわらびと同じ段にいます。そしてお酒と加工肉のほうが、ひとつ上の段です。

箸でつまんだ漬けもの
同じ段にいるのは、こちらです

なぜこうなるのか。農林水産省が、はっきり書いています。

物質の発がん性の強さや暴露量に基づくリスクの大きさを示すものではありません。

この分類は「どれだけ危ないか」の順位ではありません。「どれだけ調べがついているか」の順位です。

ぱきら

危険度の順位表だと思って読むと、まるきり逆になります

ちなみにコーヒーは、いちばん下の「分類できない」に入っています。昔はもっと上の段にいましたが、研究が進んで下がりました。この分類は、動きます。

では、何が「限定的」だったのか

まったくの言いがかりで2Bに入ったわけでもありません。IARCが挙げた根拠は3つです。

  • 甘味料入り飲料と、ヒトの肝臓がんとの「正の相関」を示す研究が3つある。ただし偶然性・バイアス・交絡因子は排除できない
  • マウスとラットの試験で腫瘍の増加を示す報告が3つある。ただし試験設計とデータの解釈に疑義がある
  • 発がんのしくみについての証拠が、限られている

日本の食品安全委員会も143報の文献を集めて検討し、「現在の情報では種々の疑問点があり、論文から得られる情報は限定的である」としています。

読み方は、こうです。白とも黒とも言えていない。まだ分かっていない。それが正直なところです。

量で言えば、まず超えません

自分に不利なことも書いておきます。

1日に摂ってよいとされる量は、体重1kgあたり0〜40mg。体重60kgの方なら、1日2400mgです。

アスパルテームは砂糖の約200倍の甘さがあります(味の素株式会社)。ということは2400mgは、砂糖にしておよそ480g分の甘さ。1kgの砂糖袋の半分です。

ふつうに飲んでいて、超える量ではありません。「毎日飲んだら危ない」と言うつもりは、私にはありません。

「L-フェニルアラニン化合物を含む」の意味

ラベルで見たことがあると思います。あの長い言葉です。

アスパルテームが入っている食品には、「L-フェニルアラニン化合物を含む」と書く義務があります。これはフェニルケトン尿症という病気の方のための表示です。その方たちはフェニルアラニンを分解しにくいため、必ず知らせる必要があります。

私が「なるほど」と思ったのは、ここです。この表示は、パッケージがどれだけ小さくても省略できません。表示できる面積が小さい商品では、多くの表示を省くことが認められています。それでも、この一言だけは残さなければならない。

それだけ「必ず伝えなければいけない」とされている情報だということです。あの長い名前は、飾りではありません。

そのうえで、私はこう考えています

禁止されていません。許容量も超えません。分類は漬けものと同じ段です。それでも私は、自分では選びません。

危ないと思っているからではありません。甘さを出すために別のものを足した飲み物を、毎日、何年も飲み続ける理由が、私には見つからないからです。

ぱきら

飲む方を否定はしません。私が選ばない、というだけです

「ノンアルコール」も「ノンシュガー」も、同じ構造です。何かを抜いた飲み物ほど、裏の「/」の後ろが長くなっています。一度、ふつうのビールとノンアルコールビールの原材料名を並べて見比べてみてください。長さが逆転していることが多いはずです。

不安をあおるつもりは、まったくありません。ニュースの見出しだけで決めずに、中身を知ったうえで、ご自分で決めていただきたい。それだけです。

※本記事は、公表されている国際機関および国内機関の評価をまとめたものです。特定の成分の安全性・危険性を断定するものではなく、病気の予防・治療の効果を示すものでもありません。フェニルケトン尿症など食事制限を受けている方は、医師の指示に従ってください。

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この記事を書いた人

25年間現場で「健康の正体」を見極めてきた目利き
はじめまして。健康業界の現場に立ち続けて約25年。自然食品、健康食品やサプリメントを主軸に、寝具全般、化粧品、補正下着、整水器に、インソール、健康ジュエリー、空気清浄機から補聴器まで、延べ数千点に及ぶ「健康にまつわる商品」をは幅広いジャンルで直接お客様に届けてきました。

私がこの四半世紀で学んだこと。それは、「華やかな広告やマーケティングの裏にある、商品の本当の姿」です。

世の中には「国産=安心」「高価=高品質」というイメージが溢れていますが、現場で多くのお客様の体調の変化や原材料の真実を見てきた私には、別の景色が見えています。何を食べるか、何を使うか以上に大切なのは、情報に惑わされず「自分に本当に必要なもの」を【正しく選ぶ力】です。

このブログでは、忖度なしの現場経験をベースに、流行に流されない「賢い商品選びの基準」をシェアしていきます。あなたの体が、もっと楽に、もっと健康でい続けるための「考えるヒント」になれば幸いです。

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