冷凍野菜と生野菜、栄養価が高いのはどっち?|添加物・保存料・選び方まで

クイズ「栄養価が一番高いのはどれ?」A生野菜 B冷凍野菜 C腐りかけの野菜。3つの野菜のボウルを描いたイラスト

✅ 今日の結論

  • 生野菜と冷凍野菜、栄養価が高いのはどっち――答えは、「生だから上、冷凍だから下」とは一概に言えないです。野菜の種類・栄養素・収穫からの時間・加工・保存状態・調理方法で、どちらにも転びます
  • 市販の冷凍野菜の多くは、凍らせる前に「ブランチング」という短い加熱をしています。湯通しで水に溶けるビタミンが一部失われることはありますが、冷凍すると、その後の栄養成分の変化はゆるやかになります。「冷凍だからビタミンが全部抜けている」も言いすぎです
  • 気をつけるのは「冷凍」という言葉ではなく、その商品に何が入っているか。原材料が野菜だけのシンプルな冷凍野菜もあれば、油や食塩、調味料が加わった冷凍おかずもあります。買う前に、裏の表示を見てください
  • 原材料が野菜だけの冷凍野菜なら、生野菜より劣ると思わずに選んで大丈夫です。

⏱ 約7分で読めます。冷凍庫の野菜を思い浮かべながらどうぞ🥦

スーパーの冷凍食品コーナーに、カットほうれん草やブロッコリー、いんげんが並んでいます。便利だけれど、「生より栄養が落ちていそう」となんとなく思っていませんか。まず、こんなクイズから。

Q. 栄養価がいちばん高いのは、どれ?

  • A生野菜
  • B冷凍野菜
  • C腐りかけの野菜

まず、Cではありません(笑)。傷みかけた野菜は、栄養うんぬんの前に「傷んでいること」自体が問題です。ここは笑って飛ばしてください。

問題はAとBです。生野菜の圧勝だと思っていませんか?ところが、調べてみると、そう単純ではありませんでした。

目次

「生だから上、冷凍だから下」とは言い切れません

これが今日の結論です。栄養価は、野菜の種類・栄養素・収穫からの時間・加工のしかた・保存状態・調理方法で変わります。「冷凍のほうが栄養価が高い」も「生のほうが必ず高い」も、どちらも言いすぎです。

読者の疑問(?)

冷凍って、工場で加工しているぶん、栄養が抜けてそうで……

ぱきら(困り顔)

正直に言うと、私も長いこと「冷凍野菜は間に合わせ」だと思っていました。売り場でも、同じことをよく聞かれます

冷凍でも栄養が残ることがある、その理由

アメリカで、8種類の野菜と果物(とうもろこし、にんじん、ブロッコリー、ほうれん草、えんどう、さやいんげん、いちご、ブルーベリー)を使って、冷蔵で置いた「生」と「冷凍」のビタミンを比べた研究があります。ビタミンCは8品目のうち5品目で差がなく、3品目はむしろ冷凍のほうが高い結果でした。ビタミンEも3品目で冷凍が高く、残りは差なし。いっぽう、βカロテンは冷凍で減りやすい傾向でした(Bouzari ら「Vitamin Retention in Eight Fruits and Vegetables」J. Agric. Food Chem. 2015)。

※これは決まった条件での比較です。「冷凍のほうが栄養が高い」と一般化できるものではありません。家庭での冷凍か工場での冷凍か、生が店頭に並ぶまでの日数などによっても結果は変わります。

理由の一つは、収穫したあとも、時間や保存のしかたによって、栄養成分が少しずつ変わっていくこと。冷凍や低温での保存には、その変化をゆるやかにする働きがあります(条件によっては、それでも減るものもあります)。旬の時期にすぐ凍らせた冷凍野菜について、日本冷凍食品協会は「旬の時期の栄養もほぼそのまま保つことができる」と説明しています(日本冷凍食品協会「よくあるご質問」)。

ブランチングって、何をしているの?

市販の冷凍野菜の多くは、凍らせる前に「ブランチング」という短い加熱をしています。熱湯や蒸気で、ふだんの調理の7〜8割くらいまで火を通す処理です(農林水産省「冷凍食品豆知識」)。

目的は、野菜がもっている酵素の働きを止めること。この酵素は、保存中に色を悪くしたり、味や成分を変えたりします。先に止めておくと、冷凍庫の中での変質・変色を抑えられます(農畜産業振興機構「食品の冷凍技術と冷凍野菜の品質」)。

ただし、「ブランチングをすれば栄養が増える」わけではありません。加熱や湯通しの間に、水に溶けるビタミン(ビタミンCなど)が一部失われることもあります。アスパラガス・さやいんげん・ズッキーニの3種類を2か月まで冷凍保存した研究では、ブランチングをしても成分はおおむね保たれ、ルテインなどはほとんど減らなかった(色は変わった)と報告されています。あくまでこの3種類での結果で、冷凍野菜すべてに当てはまるわけではありません(Mazzeo ら、Food Research International 2015年)。

生野菜と冷凍野菜がたどる道のりの比較図。生野菜は収穫→流通→店頭→家庭、冷凍野菜は収穫→ブランチング→急速凍結→家庭
生と冷凍は、たどってくる道のりが違います

生野菜にも「収穫から食べるまでの時間」があります

比べるときに忘れがちなのが、生野菜も、収穫した瞬間に食べているわけではないということです。畑から市場、店頭、家の冷蔵庫を経て口に入るまで、その間にも、一部の栄養成分は少しずつ変化していきます。

ぱきら(微笑み)

「生か冷凍か」だけでなく、「新鮮なうちに食べきれるか」も大事なんです

使い切れずに冷蔵庫でしなびさせてしまうなら、少しずつ使える冷凍のほうが、結果的に栄養を取りこぼさないこともあります。

【第2問】冷凍野菜が長持ちするのは、保存料がたくさん入っているから?

答えは「いいえ」です。日本冷凍食品協会は、こう説明しています。

冷凍食品には、保存料が使用されていません。−18℃以下の低温で保存すると、腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料を使用する必要がないのです。

日本冷凍食品協会「よくあるご質問」

つまり、「冷凍」そのものが保存方法なので、日持ちのための保存料は要らない、ということです。25年この業界にいて、ここは正直、もっと知られていい話だと思います。

でも「冷凍食品=添加物ゼロ」ではありません

保存料が要らないことと、食品添加物がまったく入っていないことは、別の話です。同じ協会も「食品添加物は、食品衛生法で使用が認められているものは使われている場合がある」としています。

見分け方は、生の食品と同じで、裏の「原材料名」の欄です。原材料は重量の多い順に書かれていて、多くは「/(スラッシュ)」のうしろが添加物です。ただし商品によっては、スラッシュではなく改行や別の欄で区分されていることもあります(東京都保健医療局「食品衛生の窓」)。読み方は「原材料表示の読み方|買う前に『裏』を見る、たった3つのポイント」で詳しく書いています。

「冷凍だから保存料が必要?」という問いに対し、冷凍そのものが保存方法なので保存料は不要、ただし商品によって食品添加物は使われることがある、と整理した図
「保存料」と「添加物」は、分けて考えます

売り場25年の目線|見るのは「冷凍」ではなく「何が入った商品か」

だいじなのは、「冷凍」という言葉に反応することではなく、その商品の中身を見ることです。

  • 冷凍ブロッコリー、冷凍ほうれん草、冷凍いんげんなど、原材料が野菜だけというシンプルな商品もあります
  • いっぽうで、味付き野菜、ソースあえ、揚げ調理済み、冷凍おかずなどには、油・食塩・砂糖・調味料・食品添加物が使われている商品もあります

どちらが良い悪いではなく、目的が違います。素材として料理に使いたいのか、そのまま一品にしたいのか。そこを決めてから棚を見ると、迷いません。

実は、一人暮らしをしている娘が、冷凍食品ばかり食べています。体のことを考えたら、もっとちゃんとしたらいいのに――と、娘のためを思って、何度も言ってきました。

でも、今回この記事を書くために調べてみて、少し反省しました。「冷凍=手抜き」「冷凍=栄養がない」という、私の中の“常識”のほうが古かったのです。

もちろん、冷凍おかずや揚げ調理済みのものばかりでは、油や塩のとりすぎは気になります。ただ、冷凍の野菜やシンプルな冷凍食品まで一緒くたに「体に悪い」と決めつけていたのは、私の思い込みでした。

今日、冷凍食品コーナーでできること

  • 「冷凍だから栄養がない」で決めつけない。生にも冷凍にも、得意・不得意があります
  • 使い切れずにしなびさせがちな野菜こそ、冷凍を検討する。少しずつ使えて、取りこぼしが減ります
  • 冷凍野菜も、裏の「原材料名」を見る。野菜だけの商品か、油や調味料が入った商品かを確かめる

※本記事は、公的機関・業界団体が公表している情報と、公表されている研究データをもとにまとめたものです。特定の商品や製法の優劣を断定するものではなく、病気の予防・治療の効果を示すものでもありません。栄養成分は商品や条件によって異なるため、実際に選ぶ際は手に取った商品の表示をご確認ください。

📖 出典

  • Bouzari A, Holstege D, Barrett DM.「Vitamin Retention in Eight Fruits and Vegetables: A Comparison of Refrigerated and Frozen Storage」J. Agric. Food Chem. 2015, 63(3), 957–962(pubs.acs.org/PMID: 25526594)
  • Mazzeo T ら「Impact of the industrial freezing process on selected vegetables — Part II. Colour and bioactive compounds」Food Research International 2015, 75, 89–97(PMID: 28454976)。対象はアスパラガス・さやいんげん・ズッキーニの3種類、冷凍保存は2か月まで
  • 農林水産省「おいしさの秘密を探る!冷凍食品豆知識と製造工場レポート」aff 2021年7月号(maff.go.jp)
  • 一般社団法人 日本冷凍食品協会「よくあるご質問」(reishokukyo.or.jp)
  • 農畜産業振興機構「食品の冷凍技術と冷凍野菜の品質」2014年7月(alic.go.jp)
  • 東京都保健医療局「食品衛生の窓|加工食品(原材料名)」(hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp)

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この記事を書いた人

25年間現場で「健康の正体」を見極めてきた目利き
はじめまして。健康業界の現場に立ち続けて約25年。自然食品、健康食品やサプリメントを主軸に、寝具全般、化粧品、補正下着、整水器に、インソール、健康ジュエリー、空気清浄機から補聴器まで、延べ数千点に及ぶ「健康にまつわる商品」をは幅広いジャンルで直接お客様に届けてきました。

私がこの四半世紀で学んだこと。それは、「華やかな広告やマーケティングの裏にある、商品の本当の姿」です。

世の中には「国産=安心」「高価=高品質」というイメージが溢れていますが、現場で多くのお客様の体調の変化や原材料の真実を見てきた私には、別の景色が見えています。何を食べるか、何を使うか以上に大切なのは、情報に惑わされず「自分に本当に必要なもの」を【正しく選ぶ力】です。

このブログでは、忖度なしの現場経験をベースに、流行に流されない「賢い商品選びの基準」をシェアしていきます。あなたの体が、もっと楽に、もっと健康でい続けるための「考えるヒント」になれば幸いです。

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