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塩の選び方|「自然塩」表示のウソと、製法(天日・平釜・イオン膜)の見方

1日の塩の目標量6.5gと、実際の摂取量を比べた図

⏱ 約5分で読めます。台所の塩を、手に取ってからどうぞ🍵

✅ 今日の結論

  • 「自然塩」「天然塩」は、書いてはいけない言葉です。ルールで禁止されています。
  • そのかわり、裏に「工程」が必ず書いてあります。見るべきはそこです。
  • ただしどんな塩でも、摂りすぎれば同じ。1日の目標は男性7.5g・女性6.5g未満です。

「体にいい塩って、どれですか」

売り場でよく聞かれます。棚には「海の恵み」「昔ながらの製法」——どれも良さそうに見えますよね。

でも塩は、表の言葉では選べません。手がかりは、やはり裏にあります。

食卓塩と塩の入った容器
見た目はどれも同じ白い粒。違いは、裏の「工程」に書いてあります。(写真:Wikimedia Commons/CC BY-SA)
目次

「自然塩」「天然塩」は、使えない言葉です

意外に思われるかもしれませんが、これらは表示に使ってはいけない言葉です。

2008年に「食用塩の表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会に認定され、2年の猶予を経て2010年4月から完全に施行されています。

禁止されているのは、たとえばこんな言葉です。

  • 自然塩/天然塩/自然海塩
  • 自然製法/自然結晶
  • ミネラル豊富

理由は、買う側に誤解を与えるからです。「自然」と書かれれば体に良さそうに感じますが、その言葉に決まった中身はありません。

ひな

「自然塩」って、けっこう見かける気がするけど…

ぱきら

もし見かけたら、ちょっと立ち止まってみて

かわりに、必ず書いてあるもの

それが「製造方法」です。「どこの、どういう原材料から」「どんな工程で作られたか」を書くことが決められています。

雰囲気のいい商品名ではなく、この欄が、その塩の履歴書です。(出典:食用塩公正取引協議会

塩ができるまでの工程海水を濃くして結晶にするまでの流れと、工程の名前 裏の「工程」は、この順番で書かれています 海水濃くするイオン膜・天日結晶にする平釜・立釜

覚えるのは、4つの言葉だけ

工程の言葉どういう作り方か
イオン膜海水を電気の力で濃縮する。効率がよく、価格を抑えやすい
天日太陽と風で水分を飛ばす。時間がかかる
平釜平たい釜で、ゆっくり煮詰める
立釜密閉した釜で煮詰める。大量生産に向く
裏の「工程」欄には、これらの言葉が組み合わせて書かれています。

たとえば「イオン膜・立釜」なら効率重視のつくり、「天日・平釜」なら手間をかけたつくり、と読めます。値段の差は、たいていここに出ています。

では、どれを選べばいいのか

ひな

じゃあ結局、どれを買えばいいの?

ぱきら

そこがね、正解はひとつじゃないんだよ

正直に申し上げます。「これが正解」という塩はありません。

25年見てきて思うのは、全部を高い塩にする必要はないということです。使う場面で分けるほうが、ずっと現実的です。

  • 下ゆで、漬物、たっぷり使うもの……手ごろなもので十分です。
  • おにぎり、焼き魚、仕上げのひとつまみ……ここは違いが出ます。

高い塩を1種類だけ買って使い切れないより、2種類を使い分けるほうが、結局おいしくて長続きします。

いちばん大事なことを、最後に

どんな作り方の塩でも、体に入るナトリウムの量は、そう変わりません。

「いい塩だから、多めに使っても大丈夫」——これだけは、違います。

だれの目標か1日の食塩相当量
成人男性7.5g未満
成人女性6.5g未満
高血圧・慢性腎臓病の重症化予防6.0g未満
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

選び方より、量のほうがずっと効きます。そこは正直にお伝えしておきます。

日本人の平均は、9.8グラムです

ここで、こう思われたかもしれません。「うちは薄味だから、たぶん大丈夫」

厚生労働省が毎年おこなっている調査があります。令和5年の結果です。

実際に摂っている量目標量
成人男性10.7g7.5g未満+3.2g
成人女性9.1g6.5g未満+2.6g
出典:厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」PDF(全体の平均は9.8g)

平均が、目標を超えています。

これは「摂りすぎている人が一部いる」という話ではありません。目標を守れている人のほうが、珍しいということです。

男性なら、毎日3.2g多い。小さじにすると、半分ぶんです。

1日で見れば、小さじ半分。でも1年続けると——約1.2kg。スーパーで売っている塩の袋、ひと袋ぶんを余分に食べている計算になります。

ちなみに世界保健機関(WHO)がすすめているのは、1日5g未満。日本人は、その約2倍を食べています。

「自分は薄味だから」——私も、そう思っていました。

6グラムって、どれくらいでしょう

グラムで言われても、ぴんと来ませんよね。台所にあるもので言うと、こうです。

食塩6g = 小さじ1杯(すりきり)。

たったそれだけです。1日に使っていいのは、小さじ1杯とちょっと。しかも、これは料理に振る塩だけの話ではありません。パンにも、ハムにも、麺にも、最初から入っています。

身近なもの食塩相当量のめやす
食塩 小さじ1(すりきり)約6g
しょうゆ 大さじ1約2.6g
味噌汁 1杯約1.5〜2g
ラーメン 1杯(スープまで飲む)約5〜8g
ラーメンは店や種類で大きく変わるため、幅で示しています。

お気づきでしょうか。ラーメンを1杯、スープまで飲み干すと、それだけで1日分に届いてしまいます。

「外でラーメンばかりはよくない」と言われるのは、こういうことです。麺が悪いのではありません。スープです。

丼に盛られた醤油ラーメン
このスープを最後まで飲み干すと、1日分の塩に届きます。(写真:Wikimedia Commons/CC BY-SA)

でも、食べるなとは言いません

私も食べます。おいしいですから。

ただ、スープを半分以上残すだけで、塩分は2分の1から3分の1ほど減らせます。我慢ではなく、置き方を変えるだけ。これなら続きます。(参考:公益財団法人やまがた健康推進機構「減塩のススメ」

ベッカム夫人が、日本でラーメンを食べなかった話

2023年の6月、ベッカム一家が来日しました。人気のラーメン店に家族で入り、ご主人のデヴィッドさんも、お子さんたちも、おいしそうにラーメンをすすっています。

ところが、ヴィクトリア夫人の前には、何も置かれていませんでした。

デヴィッドさんによれば、彼女はもう25年ほど、焼いた魚と蒸した野菜を中心とした食事を続けているそうです。せっかくの旅先で、家族が食べているその横で、それでも自分の決めたものから外れなかった。

ここで申し上げたいのは、「真似しましょう」ではありません。25年間おなじものを食べ続けるやり方は、誰にでも勧められるものではありませんし、栄養のかたよりも心配です。

私が思うのは、ひとつだけです。

あの人は、「今日くらいいいか」を25年間やらなかった。それだけのことです。

美しさも、健康も、一日でできるものではありません。特別なサプリでも、高い化粧品でもない。毎日の小さな選択が、何年も積み重なった結果として、外に出てくるだけです。

だから私は、こう思うのです。スープを半分残す。それも、立派な積み重ねです。

※このエピソードは、2023年6月の来日時に複数のメディアで報じられたものです。(参考:ヨガジャーナルオンライン

売り場での見方、3つ

  1. 表のキャッチコピーではなく、裏の「工程」を読む。そこにしか事実は書いてありません。
  2. 「自然塩」「ミネラル豊富」と書いてあったら、いったん立ち止まる。本来は使えない言葉です。
  3. 使う場面で分ける。全部を高い塩にしなくていいのです。

塩は、毎日使うものです。だからこそ、一度だけ裏を見ておけば、あとはずっと迷いません。

「で、結局どれを買えばいいの?」という方へ

ここまで読んで、こう思われた方も多いと思います。

「理屈は分かった。で、あなたは何を使っているの?」

もっともなご質問です。ただ、そこまで書くと長くなりますので、別の記事にまとめます。

私が実際に台所に置いている2本の塩と、どちらをどの場面で使っているか。裏の「工程」欄も一緒に写真でお見せするつもりです。今日おぼえていただいた4つの言葉が、そのまま読めるようになります。

近いうちに公開します。よろしければ、また覗いてみてください。

※この記事は表示のルールと公的な基準を説明したものであり、特定の商品の効果や優劣を示すものではありません。血圧や腎臓のことで治療を受けている方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。

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ぱきら

この記事を書いた人|ぱきら

健康食品・自然食品の販売現場に立ち続けて約25年。健康食品やサプリメントを主軸に、寝具・化粧品・整水器・補聴器まで、延べ数千点の「健康にまつわる商品」を直接お客様に届けてきました。華やかな広告の裏にある「商品の本当の姿」と、流行に流されない「賢い選び方」をお伝えしています。

→ くわしいプロフィールはこちら

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この記事を書いた人

25年間、現場で「健康の正体」を見極めてきた目利き
はじめまして。健康業界の現場に立ち続けて約25年。健康食品やサプリメントを主軸に、寝具全般、化粧品、補正下着、整水器に、インソール、健康ジュエリー、空気清浄機、自然食品から補聴器まで、延べ数千点に及ぶ「健康にまつわる商品」をは幅広いジャンルで直接お客様に届けてきました。

私がこの四半世紀で学んだこと。それは、「華やかな広告やマーケティングの裏にある、商品の本当の姿」です。

世の中には「国産=安心」「高価=高品質」というイメージが溢れていますが、現場で多くのお客様の体調の変化や原材料の真実を見てきた私には、別の景色が見えています。何を食べるか、何を使うか以上に大切なのは、情報に惑わされず「自分に本当に必要なもの」を【正しく選ぶ力】です。

このブログでは、忖度なしの現場経験をベースに、流行に流されない「賢い商品選びの基準」をシェアしていきます。あなたの体が、もっと楽に、もっと健康でい続けるための「考えるヒント」になれば幸いです。

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