「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は何が違う?|法律の基準があるのは、片方だけです

✅ 今日の結論
- 「糖類ゼロ」には法律の基準があります。食品100gあたり(飲料は100mlあたり)0.5g未満。ところが「糖質」のほうには、基準がありません
- 「糖類ゼロ」でも、糖類に含まれない甘味料で甘くすることはできます。ただし、糖類が基準未満であることが必要です
- その甘味料が本当に大丈夫なのかは、別の記事にまとめました。最後にリンクを置いています
⏱ 約5分で読めます。手元の飲み物の裏を見ながらどうぞ🍵
「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」。売り場で並んで置いてあります。一字しか違いません。

書き方が違うだけですよね?
そう思われるのが普通です。私も、はじめはそう思っていました。
でもこの一字で、法律の扱いがまるきり変わります。片方には決まりがあって、もう片方にはありません。
糖質と糖類は、入れ子になっています
いちばん外側が炭水化物。その内訳が糖質と食物繊維。さらに糖質の内訳として糖類があります。東京都の解説にも、糖類は糖質の内訳であると書かれています(東京都保健医療局「栄養成分表示(表示方法)」)。
つまり、糖類がゼロでも、糖質はゼロとは限らない。入れ子の内側だけがゼロ、ということが起こります。

「糖類ゼロ」は0.5g未満。ゼロには幅があります
「糖類ゼロ」「無糖」と書けるのは、食品100gあたり(飲料は100mlあたり)の糖類が0.5g未満のときです(農畜産業振興機構「糖に関する表示について」)。
0.4gなら「ゼロ」と書けます。嘘ではありません。国が決めたとおりです。ただ「ゼロ=まったく入っていない」と読むと、事実とずれます。「食塩相当量ゼロ」も同じ考え方です。
ところが「糖質」のほうには、基準がない
食品表示のルールには、「ゼロ」「低い」「オフ」と書いてよい基準が、栄養成分ごとに決められています。並んでいるのは、熱量・脂質・飽和脂肪酸・コレステロール・ナトリウム、そして糖類。
「糖質」は、この一覧に入っていません。東京都の解説を見ても、載っているのは「糖類」であって「糖質」ではありません(東京都保健医療局「栄養成分表示(栄養強調表示)」)。

じゃあ「糖質オフ」って、何を基準に?

そこは各社の判断です。だから比べようがない
糖質について同じ栄養強調表示の基準がないからといって、自由に表示してよいわけではありません。科学的根拠に基づき、販売者の責任で表示する必要があります。ただ買う側からすると、「糖類オフ」は全社が同じものさしで測られていて、「糖質オフ」はものさしが商品ごとに違うかもしれない——そういうことになります。

では、なぜ甘いのか
「糖類ゼロなのに、しっかり甘い」。飲んで、そう思ったことはありませんか。
理由のひとつは、糖類に含まれない甘味料を使って甘さをつけられるからです。甘味料という言葉には砂糖なども含まれるため、すべての甘味料が糖類ではない、という意味ではありません。
裏の原材料名、「/」の後ろを見てください。たとえば、次のような名前が見つかることがあります。
- 甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)
- 甘味料(スクラロース)
- 甘味料(アセスルファムK)
これらは糖類ではありません。ただし、「糖類ゼロ」と表示できるかは、商品全体の糖類が基準未満かどうかで決まります。また、スクラロースやアセスルファムKには、使える食品や量についての使用基準があります。「いくらでも入れてよい」という意味ではありません。
📖 出典:農畜産業振興機構「糖に関する表示について」/日本醤油協会ほか「しょうゆ加工品製造の手引書」p.6(厚生労働省掲載)
ここで、ひとつ気づいてほしいことがあります。何かをゼロにするために、別の何かを足している。「糖質ゼロ」も「ノンアルコール」も「ノンシュガー」も、たいていそうです。裏の「/」の後ろが長くなっている商品ほど、そこを疑ってみてください。
その甘味料、大丈夫なのか
ここまで読んで、こう思われた方がいるはずです。「じゃあ、その甘味料は安全なの?」
2023年、WHOの機関がアスパルテームを「発がん性がある可能性がある」に分類しました。ニュースで見た方も多いと思います。
ただ、同じ分類には漬けものやわらびも入っています。そして同じころ、別の機関は「1日に摂ってよい量を変える理由はない」と発表しました。
この話は長くなるので、別の記事にまとめました。不安をあおる話でも、大丈夫だと言い切る話でもありません。公表されている資料を、そのまま並べています。
→ アスパルテームは体に悪い?|同じ分類に、漬けものとわらびが入っています
結局、どう見るか
私が売り場でお伝えしているのは、2つだけです。
表の「ゼロ」ではなく、裏の数字を見る。栄養成分表示の炭水化物や糖質の欄に、実際の数字が書いてあります。そちらのほうが正確です。
甘いと感じたら、「/」の後ろを見る。甘味料の名前があれば、甘さの出どころはそこです。それを知ったうえで飲むなら、まったく構わないと思います。
知らずに「ゼロだから安心」と思って毎日飲むのと、中身を知ったうえで選ぶのとでは、同じ一本でも違います。私がお伝えしたいのは、そこだけです。
※本記事は食品表示のルールと、公表されている国際機関の評価をまとめたものです。特定の商品や成分の安全性・危険性を断定するものではなく、病気の予防・治療の効果を示すものでもありません。血糖値や糖尿病について医師の指導を受けている方は、その指示に従ってください。

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